2017.08

頭と心と体を使う?フォントの選び方

頭と心と体を使う?フォントの選び方02

デザイナーの竹本です。




文字を含むデザインをする上でとても重要なもの...それはフォント選びです。

フォントの選び方1つでデザインの印象・伝わり方は大きく変化しますので
フォント選びは非常に大切なプロセスの1つです。

しかし有料〜無料まで多種多様なフォントが存在する昨今、
どれが自分の中の正解のフォントなのか分からなくなりがちです...。
今回のブログは、僕が普段行っているフォントの選び方が
「フォント、選び方」で検索してもあまりヒットしない(一般的じゃない...?)
ので紹介しようかなと思った次第です。
ヒットしないということは、つまり参考になるかは分からないということです。

あしからず!





・基本は大事です

まずフォントの基本的な知識はとても重要です。
我流で無頼も素敵ですが、僕は伝わってこそのデザインだと考えています。

力強いデザインを目指すので太めのゴシック体...、高級感と伝統を感じさせたいので細い明朝体...など、
一般的にそのフォントが持つ(とされている)イメージをしっかり把握していることは必須です。
個人的にフォント選びというのは、それらの「一般的なフォントのイメージ」と
「デザイナー個人が持つフォントのイメージ」を掛け合わせて行う作業だと思っていて、
その掛け合わせる作業を僕はこうしてますよ〜というのがこのブログの主題です。
「一般的なフォントのイメージ」はたくさんのWebサイトや書籍などで詳しく書かれていますので、
ここでは不要かも知れませんが少しだけ説明させていただきます。


・一般的なフォントのイメージ

頭と心と体を使う?フォントの選び方03
・明朝系(セリフ)→高級感、歴史的、優雅、繊細、信頼、フォーマル、etc

・ゴシック系(サンセリフ)→親しみやすさ、力強さ、現代的、安定、カジュアル、etc

・筆書体→和風、日本的な伝統、etc

・手書き、ポップ体→優しさ、楽しさ、柔らかさ、暖かさ、etc

・フォントが細い→高級感、信頼、気品、女性的、etc

・フォントが太い→安定感、堅実、力強い、男性的、etc

このあたりが一般的なフォントのイメージになるかと思います。
エレメント、ふところ、ウェイト、骨格、字面、仮想ボディ、ファミリー...など
様々な要素が合わさってそれぞれのフォントの印象が決まります。





・頭と心と体を使うフォントの選び方

では本題の僕がどのようにフォントを選ぶのか...
今回は例文として"高級ホテルのランチメニュー"の
「カレーライス(Curry Rice)」のフォントを選んでいきたいと思います。





1.まずは頭を使う

先ほど紹介した一般的なフォントのイメージを踏まえて、
目指すデザインに合わないフォントを何とな〜く排除します。
(教科書通りの選び方も面白くないので排除し過ぎも良くないかなと思います。
ですので、本当に何とな〜く違うかな〜で良いかなと...)
高級ホテルだし太いゴシックは強すぎるかな〜モダン過ぎるかな〜
セリフ体の方が目指している印象には合いそうだけどどうかな〜程度でOKです。
頭を使って理屈でフォントを絞っていきます。
頭と心と体を使う?フォントの選び方04




2.心を使う

この「カレーライス」は"いつ"、"どこで"、"だれが"、"だれに"言う「カレーライス」なのかを想像します。
フォント選びとは人間賛歌です。細かい人物設定は精度を高めます。
この時選ぶフォントは純粋に自分の持つフォントのイメージに則したもので良いです。

1では理屈でフォントを選んだので、2では純粋な感覚で選ぶのが良いと思っています。
1で除外したフォントが、ここにきて復活...というのも凄く素敵ですね。
僕としてはフォント選びに万人に共通する正解はないと考えているので、
自分の中に正解があればそれを優先して良いのではないか...と思っています。
(ただそれが一般的な感覚と乖離し過ぎないようにするために基本が重要です)

それをいくつかピックアップします。イマジンするのです...。

テーブル席でメニューを眺める妙齢の女性

そんな女性にシェフが「カレーライス」を勧めます

シェフは長身で細身、すっと通った鼻梁が印象的な顔立ち

伸びた背筋と厭味のない清潔感のある笑顔

高級感の中にもどこか懐かしいカレーの香りがします...


頭と心と体を使う?フォントの選び方05




3.体を使う

2でイマジンした人物とシチュエーションになりきって身振り手振りと表情を使って発声します。
(他の人に見られない努力はしても良いかも知れません)
シェフは落ち着いた抑揚の少ない明瞭な声です。大きくもなく小さくもない耳馴染みのよい声量です。

...さてここまで来ると目指すべきフォントが浮かび上がって来ました。


高級感と優雅さと信頼感(明朝・セリフ系)、抑揚の少ない声(太さの強弱の少ない)、
明瞭(可読性の高い)、懐かしい(斜体のカタカナ)、スマート(フォントを少し縦長に)...

僕の探していたフォントはこれでした。

(上手く行かなかったら1に戻る...)

頭と心と体を使う?フォントの選び方06



以上、冗談めいてはいますがこれが割とマジな個人的フォントの選び方です。
この少し馬鹿げたフォント選びは精度を上げる面でも、
楽しくデザインをするという面でも有用だと勝手に思っています。
もし興味が湧いたらやってみて下さいね。
(効果は未知数)

author: Takemoto
CONTACT